円安が進み外貨に資金を移そうと考えている人も多いのではないでしょうか。
今回はそんな人のために、「外貨建てMMF」を解説します。この記事では、特に「米ドル建てMMF」(以降、ドル建てMMFと記載)について説明します。
外貨定期預金より外貨建てMMFをオススメする理由も合わせて説明するので、金融リテラシーを高めたい方はぜひ読んでいってくださいね!
【この記事でわかること】
- ドル建てMMFとはなにか
- ドル建てMMFのメリット・デメリット
- 外貨定期預金より、外貨建てMMFをオススメする理由
ドル建てMMFとは?
MMFは「マネー・マーケット・ファンド」の略です。つまり投資信託のようにファンドということです。
そしてドル建てなので、円ではなく米ドルで運用されます。
中身は短期金融商品や格付けの高い国債、社債などになります。
次に、メリットについて説明します。
ドル建てMMFのメリット
- 現時点で利回りが高い(2024年3月時点で、4.7%前後)
- 元本割れのリスクがかなり低い
- 10ドルから投資できる
- 売買手数料無料
- 基本的にいつでも売買できる
順に説明します。
現時点で利回りが高い(2024年3月時点で、4.7%前後)
アメリカの金利が高い現時点(2024年3月)では利回りがかなり高いです。
これだけ高いとかなり魅力的に見えるのではないでしょうか。
外貨定期預金にも匹敵する金利の高さですし、インデックスファンドに投資している人は分かると思いますが、利回り4.7%は株式のインデックスファンドと比べても決して低い利回りではありません。
ちなみにドル建てMMFは基本的に毎月の月末に利益が出て、それがそのまま再投資されます。
毎月少しずつ増えていくのはちょっと嬉しいものです。
元本割れのリスクがかなり低い
ドル建てMMFは元本保証ではありません。
しかし、元本割れする可能性はかなり低いです。
なぜなら元本割れしないように格付けの高い投資商品でガチガチに固められているからです。
元本割れの心配はほとんどないでしょう。(ただし100%ではない)
10ドルから投資できる
ドル建てMMFは10ドルから投資できます。
しかも追加する場合は、0.01ドル単位からできます。
売りに関しても0.01ドル単位からできます。
少しずつ買い増しもできるので、好きな時に好きな額だけ追加投資できます。
売買手数料無料
売買手数料は無料です。
最近の投資信託でも一般的になってきましたが、手数料を気にせず売り買いできるのは助かりますね。
基本的にいつでも売買できる
ある意味ここが定期預金との最大の違いです。
ドル建てMMFは買付日の翌営業日から、営業日ならいつでも売買できます。
つまり、いつでも現金化ができる流動性の高い資産ということです。
流動性が高いというのは大きなメリットです。
私が外貨預金よりもドル建てMMFをオススメする理由として、一番大きいのがこのメリットのためです。
ドル建てMMFのデメリット
- 元本保証ではない
- 信託報酬がけっこう高い
- 円貨決済すると為替手数料がかかる
- 為替差益・為替差損がある
- 利回りは一定ではない
- 短期にも長期にもあまり向いていない
順番に説明します。
信託報酬がけっこう高い
信託報酬がけっこう高く、0.7~1.0%ほどかかっています。
優良なインデックスファンドでも、0.1%以下が増えてきた今から見ると、この水準は高く見えてしまいますね。
投資する場合は信託報酬がかかっていることも意識しておきましょう。
円貨決済すると為替手数料がかかる
SBI証券や楽天証券を基準とした話になりますが、円貨決済を選択すると為替手数料がかかります。
ちなみにこれへの対処は簡単です。SBI証券や楽天証券で事前に、円を米ドルに替え、米ドルで決済すればいいだけです。
SBI証券や楽天証券でのリアルタイムの米ドル為替手数料は実質無料です。
これをするだけで為替手数料はなくなります。
SBI証券についてはこちらの記事をどうぞ↓
為替差益・為替差損がある
これはメリットでもありデメリットでもありますが、為替リスクがあります。
もしもドル建てMMFに投資していたお金を現金化して円に替えようと思ったら、
投資時点より円高になっていたら、為替差損が、
投資時点より円安になっていたら、為替差益が発生します。
これは外貨建ての投資商品をする場合は嫌でも付いて回る問題なので、受け入れて頭の隅に置いておきましょう。
利回りは一定ではない
投資商品なので当たり前といえば当たり前ですが、利回りは一定ではありません。
アメリカの金利が下がれば下がります。
特にアメリカの短期金利に連動して動く感じです。
短期にも長期にもあまり向いていない
ドル建てMMFは短期にも長期にもあまり向いていなく、一時的なお金の置き場というのがメインの使い方になります。
デイトレードにはもちろん向いていませんし、長期投資するなら株式のインデックスファンドに投資した方が良い成績を出す可能性が高いでしょう。
なので、
ちょっと投資資金が余っているから、一時的にドル建てMMFに入れとくか
とか、
これからは円安が進むだろうから、様子見でドル建てMMFに資金を移しとくか
みたいな感じが主な使い方になります。
ちょっとマニアックな話
ドル建てMMFの利益は、譲渡所得になります
これはつまり損益通算ができるということです。
ちなみに外貨定期預金の利益は、雑所得になります。
なので額が大きくなるほど、税金の面で見てもドル建てMMFの方が有利になる可能性が高いです。
ここでは少し難しい話になるので詳しい話は省きますが、この点も少し頭に入れておきましょう。
まとめ
ドル建てMMFは現在(2024年3月)は利回りが高く、元本割れリスクも低く、流動性の高い投資商品です。
ちなみに、「南アフリカランド」や「トルコリラ」の外貨建てMMFもありますが、基本的におススメしません。
なぜかというと通貨の価値が安定しないからです。
利回りが高くてもそれ以上に通貨の価値が下がったら意味がありません。利回りの高さで釣られないように注意しましょう。
私は外貨預金をするぐらいなら、米ドル建てMMFをオススメします。
投資資金が少し余っている人は一考の余地があると思います。
十分に投資期間を持てるなら優良なインデックスファンドを考えましょう。
インデックス投資についてはこちら↓
【投資初心者向けのオススメ書籍】
それでは今回はこの辺で、読んでいただきありがとうございました!
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